架空の痛み

痛み
彼にこれ以上、近づいてしまったら痛い目にあうのではないか?
・・・そう感じていた当時の私。
彼との関係は友達からは数歩抜け出た感じでした。

2人の間に特別な感情を何となく感じつつも
私はそこから先に進むのを踏みとどまっていましたし、彼も先に進もうとはしませんでした。

彼が進もうとしないのだから「そういう事なのだろう」と思って居た部分もあります。
女性から人気のある人でしたし
彼もそういった側面においてはある種の「余裕」のようなものがある人でしたので
私が踏み込んだところでさらりと交わされてしまうような気がしていたのです。

それは架空の痛みでしょ?」と友達は言いました。
架空であれ、想像がつく痛みにわざわざ足を踏み込まなくてもと思ったりしたのですが
彼のことを好きだという単純な感情だけをみれば
その気持ちを抑えることはとても勿体無いことのように思えてきました。

架空の痛みを捨てて、彼にぶつかってみよう。
そう思えるようになったのは、彼を好きになって半年以上が経過してからのことでした。

ストレートに彼にぶつかってみると、彼は真摯にそれを返してくれました。
結局、私の恋は実らずに終わってしまいましたが
それでも予想ばかりしていて踏み込めずに居た自分からしたら少しは成長できる経験だったかなと思うのです。